紬屋は、1997年、さをり織の理念をもとに自由な織りの場として札幌に開設いたしました。従来の習い事は”師の作るものを作れるようになること”を目的としました。…がここでは何をどう織っても良いのです。機(はた)の扱い方を覚えながら自分で「選ぶ」ことから始まります。
最初は戸惑いますがそんな中で織り始めるといろんな物が引き出されてきます。
自分では気づかなかった自分の好きな色、何故か惹かれる形、風合い、などなど。
若い人の感性があるように、経験を重ねた人の感性があり、育った環境の違いの感覚もあり、男性の価値観もあり、そして一人一人の感性がある。千差万別の感性が形になって、現れてくるのです。
ここでは、師のものを”教える”のではなく、その人のものを”引き出す”ことを目的とするのです。紬屋では、障害をもった方も、子どもも対等に受け入れています。
最初は”違い”に戸惑いを感じる方もいらっしゃいますが
いっしょに織り始めれば「織りを楽しむ」ということに関しては何の隔たりもないことが実感できるようです。
入って間もない方が先輩にアイディアを教えることもあり、
健常者と呼ばれる人が障害者と呼ばれる人から素直に助言をうけていたり…
お互いが認め合っているのです。特殊な技能としての織りではなく、誰もが対等に楽しみ、親しめる、バリアフリーの織りの場と育っています。
さをり織りって…?
大阪の”城みさを”が考案した機を使い自由な発想の織りを楽しむグループ。
操作が簡単な機なので誰もが気軽に織ることが出来ます。
「個々の差を織る」の意味を込めて名づけられた さをり織り は
従来の織りが目指した「一定に打ち込む」「まっすぐなもの」ではなく
「打ち込みの”ちがい”」「まっすぐなものと”ちがうもの”」など”差”を織り込みます。
そんな自由な織りの精神は40年を経て日本全国に広がり、現在では世界各国にも支部を持ちます。